焚き火のぬくもりを子どもたちに

 散歩道といえば、毎朝、日野崖線に続く雑木林が日に日に色づいてくる様子をながめながら、駅まで急ぐことぐらいでしょうか。今は紅葉の移ろいを、春先は新緑の芽吹きをこんなに身近に感じられる日野市は、奥多摩の山々から流れる多摩川と高尾山から来る淺川が合流する所に挟まれたまだ自然を残した街です。この崖線の雑木林は、実は森田革新市政の時代に市が買い上げ保存してきた市民の財産なのです。昔、応援に来てくれた皆さんのおかげです。

 朝はコンクリーの道に積もった落ち葉をガサガサと踏みしめ、帰りは寒い夜道をオリオン座をながめながら歩いていると、学校の校庭で子どもたちと落ち葉を集めて焼き芋大会をやったことを思い出します。木の棒でかき混ぜると炎があがり、中学生も大興奮、火遊びに熱中しているうちにサツマイモが真っ黒焦げになったこともありました。12月は、生徒会主催のこんな楽しい行事があったものです。私が子どものころ、都心の街中の商店街でも、大晦日には、大掃除で出てきた木屑なんかを石油缶に入れて焚き火をしていました。子どもたちは火のついた燃えさしを振り回して大はしゃぎ、それで大人に怒られた記憶はなし。こうして火の暖かさ、人と人との交わりの暖かさを感じ、火の粉を浴びてその怖さも知ったものです。

 こんな風景が学校からも地域からもなくなって、どれだけ経ったでしょうか。ダイオキシンが問題になった時から、焚き火はご法度に。今の二十歳前の青少年はガスコンロの他は火が燃えるのを直に見たことも触れたこともなく育ってきたのです。焚き火から出るダイオキシンがどれほど危険なのでしょうか。太古の昔、ヒトは火を使うことによってヒトになったのですから、子どもは火にあこがれ火をおそれる本能を持っているのです。この本能を押さえつけてしまうことと、どっちが危険か、みんなで考えてみたいものです。

 北風に負けず、外に出て、焚き火を囲みながら、子どもたちと地球の温暖化について話し合ってみたらどうでしょうか。福田首相は温暖化対策でえらく点数稼ぎをやっていますが、京都議定書の削減目標6%などどこ吹く風、排出量の増加の真犯人である火力発電所など大企業の身勝手を野放しにしながら、厚顔無恥もはなはだしい。その一方で、僅かな焚き火のぬくもりさえ禁止する政治、子どもたちから学校のぬくもりまで奪っている教育政策は許せない!「さざんか、さざんか、咲いた道、焚き火だ、焚き火だ、落ち葉焚き…」の歌を口ずさむ度に、このぬくもりを子どもたちにと願いながら、今日も夜道を歩きます。

 磯崎四郎 東京地評幹事/都教組副委員長

▼過去の記事↓
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*2007/10/01 地域を役立つ運動で 植草克己 東京地評幹事/金融労連東京地連 中央執行副委員長
*2007/09/01 小さく生んで大きく育てる 岩渕末次 東京地評幹事・千代田区労連事務局長
*2007/08/01 私の登山道 相澤幸敏 東京地評幹事・東京医労連書記長
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