職場
憲法を守る大きな共同づくり
地域から

高畠素昭さん(右)、東京地評事務局長「今年はたいへんであると同時におもしろい年」
■自由に参加できる
   職場9条の会づくり

 全員 あけましておめでとうございます。
 高畠 本日はお忙しい中お集まりいただきき、ありがとうございます。
 東京地評は今年、憲法改悪に反対する運動を職場、地域から強めていきたいと思っています。そこで、お集まりいただいたみなさんから様々な取り組みの経験をお話しいただき、仲間たちの運動の励みにしたいと思います。まず今までの取り組みを自己紹介をかねてお話しいただけますでしょうか。
 小森 はい、実教出版の小森と申します。実教出版は高校の教科書を発行している会社で、組合員数が一三〇人くらいです。上部団体は出版労連で、千代田区労協に加盟しています。職場の九条の会ですが、昨年の四月に呼びかけ人を私が募り、一五人ほど集まって相談しました。「九条の会」をつくろうと思ったのは、歴史や公民の教科書を発行していますし、憲法は教科書にかかわる労働者として重要ということもありますので、何とか「憲法を守ろうというムード」を職場のなかに作り上げていきたいな、と思ったからです。昨年五月の連休明けから訴え始め、九条の会のアピールに賛同することで会員になる、細かい会則とかは設けずに、組合とはチョット違う比較的自由に参加できるような会にしようと考えました。非組合員の管理職や役員にもよびかけたんですが、いま会員としては組合員だけで三二名です。その後の取り組みとしては、六月一日に発足の集いを社内の会議室で行い、弁護士の方に講演をお願いしました。その後、六月三〇日の千代田平和集会の参加呼びかけや映画「日本国憲法」の上映会を行ったり、七月三〇日の有明講演会にみんなで参加しました。九月に実教出版の執筆者で浦部法穂さんという名古屋大学の先生の「憲法の原点と生命力」という講演録が発行されたので、これを社内に回覧して組合員以外にも普及をはかりました。
小森浩二さん、実教出版九条の会、「メーリングリストを会としてつくって交流」
 高畠 そうですか。それでは続いてお願いします。
 西村 はい、世田谷区労連の西村と申します。私たちがやっているのは「生かそう憲法!今こそ9条を!世田谷の会」という会で、「世田谷・九条の会」というのは別にあるんです。「世田谷・九条の会」は、個人加盟が原則ですが、やはり団体の役割というのが非常に大事じゃないかということで、団体をつなぐ、一種の連絡会みたいな形で発足したのが、私たちの「会」なんです。準備は一昨年の一二月、区労連と地区労、連合世田谷の三議長の呼びかけでスタートしました。三月に正式に発足したときは参加団体が二七団体です。ただ、区労連とか地区労の加盟組合をあわせると一〇〇くらいになるかと思います。なかみは労働組合、市民団体、それから業者団体、婦人団体、原水協、原水禁、平和委員会とか非核連絡会などの平和団体。あと青年団体、法律事務所も加盟しています。結成してから毎月一回、九の日の駅頭宣伝をしています。五月には、一〇〇〇人余り集めた憲法集会をもつことができました。このとき「会」の名前がはいったブルーとピンクののぼりを二種類二〇〇本作ってパレードし、すごく壮観でした。政党は、共産党と社民党と新社会党の三つが入っているんですけれども、正式な会員ではなくて賛助会員というかたちで、かかわっています。一二月には九日に、「日本国憲法」上映と講演の集いをやり、六五〇人が集まってくれました。
 高畠 連合と地区労と区労連が一緒にやるのって難しいと思うんですけど。
 西村 世田谷は年に一〜二回統一集会を行ってきていますし、やっぱり九条の強みでしょうか。(笑い)
 高畠 ありがとうございます。では。
 高橋 はい、港区労連の事務局長をやっています、高橋といいます。いま「みなと九条の会」が発足して活動しています。港区は東京二三区で唯一米軍基地がある区なんです。ですから憲法問題とか平和問題っていうのは比較的入りやすい課題なんですよね。会則では会員は個人・団体となっているんだけど、運営は個人を主体にし、実際の運動をやるときにはこちらがある程度主体になってやっています。昨年の三月三一日に旗揚げしたんですが、二五〇席の会場に三五〇人ぐらい集まり、ロビーもいっぱいになって大成功でした。港区に事務所をもって住んでるジェームス三木さんも一〇分くらい話してくれることになったり、反戦写真家の石川文洋さんも来てくれました。あと、うちも九の日宣伝をやっているんですが、ここに、ピースサンデーという合唱団が参加するので大体二〇人ぐらいで歌声を入れたりしてやっています。(全員「すごいですね」)その後も、6月に「苦い涙の大地から」を上映し一〇〇人集まりました。九月九日にやった集会は、実はメインが土井たか子さんだったんですよ。しかし総選挙になってしまい、代わりに佐高信さんと九条の会事務局長の小森さん、さらに女優の山口果林さんも来てくれました。投票日の二日前だったんですが三〇〇人くらい集まって安堵しました。最近は一一月一一日に国民投票法の学習会もやりました。
西村恵子さん、世田谷区労連事務局次長「一般の方たちも一緒にやれる雰囲気と運動を」

■私たちのがんばりが
   見えると署名もしてくれる

 高畠 ところで、北朝鮮が攻めてきたらどうするんだという話もあります。宣伝や職場での反応などご紹介いただきたと思いますが。
 高橋 以前の新ガイドラインとかPKOとかPKFの宣伝の時に北朝鮮が来たらどうするんだと、軍隊がなくて守れるのかって言って来た人はいましたけど。でも、今回ないんですよ。やっぱりね、現実的に見れぱ、そう思っている人って少ないですよね。だから、僕は今回、この六〇年間、憲法九条のおかげで国民は命を守れてきた、そう言っているんですよね。しかも、自民党の新憲法草案が出てきたので、現実味が国民一人ひとりに突き付けられて来ますよね。世論調査で、憲法を変えることに賛成している人が半数以上いるけど、憲法九条を変えないっていう人は六割以上いますよね。だからどの政党も憲法九条を焦点にしているっていうことを訴えているんです。そして、軍隊を憲法に規定したらどうなるかと。国民にしわ寄せを持ってくるし、お金が足りなくて消費税も上がりますよって。ただ、職場の中でまだ十分議論されていないから、ここがネックなんですけどね。
 高畠 では、西村さんは。
 西村 北朝鮮が攻めてきたらってことも街頭宣伝やっているときに言われたりすることはあるんですけれども、あまりそこに引っ張られちゃうと肝心なところを見失ってしまうかなって思いますね。そうならないようにするために、今何をしなきゃいけないか、本当の外交っていうのはどういうことなのかってところを訴えていくことを、大事にしていく。それと五月に駅頭宣伝をやった時に、なんとそのときは五六人が参加したんですね。(全員「ほーすごいですね」)はい。で、チラシも一四〇〇枚くらいはけたんですよ。
 高畠 どこの駅ですか?
 西村 小田急線の経堂駅です。こっち側と向こう側にわぁっと人がいて、チラシをとらないわけにはいかない、みたいな雰囲気で。(全員 笑い)ですから、その日は一五七筆の署名が(全員「ほ〜」)一時間半程度で集まったんです。「私たちがんばってます」っていうことが見えると、勇気を出して署名してくれるんじゃないかなって思います。
 高畠 職場の方はどうですか。
 小森 うちはメーリングリストを独自に会として作っていまして、そこに何人かの人からメールが送られてきます。ホームページのなかで「マガジン9条」っていうのがあるんですけどね。そこのホームページが、組合っていうカラーではないし、気楽に憲法のことを考えようっていうようなホームページでして。そこでの情報を紹介してくれるようなメールが最近は増えてきていますね。あと浦部法穂先生講演録を社内で回覧したときに、まだ会には入っていないけれども、その本は買うっていう人がやはり何人かいて。そういう意味では、教科書を作っている会社っていうこともありますし、労働組合としても憲法の問題はずっと大事だよって言い続けていますから、比較的組合員の意識にはあるんだと思うんですね。ただ、じゃあ自分がどう考えればいいのか、迷っている人がいるのかなっていう受け止め方をしているんですけれど。
高橋孝さん、港区労連事務局長「1000人を超える集会もやってみたいですね」

■600労組に賛同署名を
    郵送し連合からも反応

高畠 改憲目標二〇〇七年の前の年、二〇〇六年の運動をどうすすめていこうとされているのか。いかがでしょうか。
小森 はい。やっぱり昨年の一一月に発表された自民党の新憲法草案、ここの問題を学びながら、職場に訴えていけるような取り組みをしていきたいと思っています。あわせて、実教出版九条の会として、ニュースを二回発行しているんですけれど、ニュースなどを活用しながら、憲法を変えることの本質の問題っていうのを訴えていけたらいいなというふうに思っています。今、実教出版九条の会は、呼びかけ人の中から四人ほど事務局という形でどういうことをやっていこうかという打ち合わせをやっているんですが、そのなかでも、この自民党憲法草案の学習会を中心に、当面は考えていきたいと思っています。
 高畠 西村さん、お願いします。
 西村 私たちも自民党とか民主党とかの改憲案にはきちっと反撃していくことが大事だと考えています。うちの会でもニュースは二〜三回出したんですけども、内部用なんですよね。また、チラシは、改憲案のどこが問題なのか簡潔に分かってもらえるようなものを作っていく、ということですね。あと、ハンドマイクで宣伝する場合には、どういうことを話すのかっていうことも、とっても大事ですよね。うちの会はいろんな人がいますから、いろんな立場から、いろんな話をしてもらうっていうことがすごく力になっていくんじゃないかなって思います。今までも、たとえば、かなり高齢の方が自分の戦争体験を話したりなさると、やっぱり、ちょっと、その場の雰囲気がかわるんですね。チラシの取りがちょっと良くなったりとかいうことを私も感じています。まだ、世田谷区内でも知らない団体っていっぱいあると思うんですね。大同団結できるような組織を作っていきたいな、っていうことと、一般の方たちが私たちもいっしょにやれるわっていうふうな雰囲気ができる動きを作っていきたいと思います。
 高畠 はい。それじゃ高橋さん。
 高橋 実は、労働組合を中心にした九条の会を作りたいと思って、昨年、二〇人に呼びかけ人になってもらって、賛同団体署名を区内六〇〇労組に郵送しました。連合の組合からの反応もあって、今年の二月八日に「働く仲間の会」っていうのを立ち上げよと準備に入っているところです。今年はその「会」の立ち上げが、区労連の組合員のみなさんや、地域のみなさんのひとつの起爆剤になってね、様々な九条を守る組織が地域にいっぱいできればいいなと。で、個人的にですけども、世田谷のように千人を超える集会もやってみたいな。そして、二〇〇七年が改憲の流れをくいとめ、憲法が生きる、新しい日本をつくる幕開けとなるような、一年にしていきたいと思います。
 高畠 みなさんのお話をうかがって、私も元気になってきました。たしかに今年は大変な年になると同時に、おもしろい年であるかもしれませんね。お互いにがんばっていきたいと思います。今日はありがとうございました。