地域の賃金水準引き上げを
    −第3回自治体キャラバン−
 
 1月30日新宿区との懇談
 墨田は15円アップ(1/29)
    「自治体がワーキングプアを生み出していいのか」−−3回目となる公契約条例制定をめざす自治体キャラバンが1月29日から行われ、島嶼をのぞく53自治体中45自治体と懇談が行なわれました。
  今年のキャラバンでは、
@臨時職員の賃金引き上げ、
A公共工事、業務委託での公正賃金確保、
B指定管理者制度の導入や一般競争入札による雇用継続問題や労働条件の悪化
 に焦点をあてました。
  自治体における臨時・その他の非正規職員の割合は、昨年は全体の29%でしたが、その後も引き続き上昇し、今年は30%を突破しています。臨時職員の最低時給の引き上げでは、周辺自治体と比較した墨田区が15円アップ、中野区でも引き上げが具体化されることになっているなどの動きが出ています。指定管理者制度の対象施設については、大田区が994施設で最も多く、町田市が625施設と続いています。人件費の削減効果を導入目的として認める自治体もありました。公契約条例については、国の制度化待ちで、「労働条件については『民民契約』に口は出せない」との姿勢を見せています。
  なお、新聞折込み求人紙の募集時給調査は全都平均で948円、23区で973円、三多摩で926円で、前年比較で横ばいの結果となっています。

せめぎ合いの「労働法制」国会

 1月25日、労働契約法制と労働時間法制の審議を進めている労働政策審議会労働条件分科会に「労働契約法案要綱」「労働基準法の一部を改正する法律案要綱」が諮問されました。
  ホワイトカラーの残業代ゼロへの批判が高まり、「法案の上程を見送る」との報道が出されるなど、法案化も危ういという状況を作り出すところまで、政府・厚労省を追いつめてきました。これを危惧した日本経団連やこの意向に添った厚労省の巻き返しによりだされた法案要綱は、労働者側委員の意見を一顧だにしない「残業代ゼロ法案」、「就業規則の変更による労働条件引き下げ法案」でした。

 通常国会開会日の昼休みデモ

 労働契約法と労働時間法制は、
   法案上程をめぐるせめぎ合い
 2月2日の労働条件分科会は、この法案要綱にどう決着を付けるのか、注目される中で開催されました。
 「労働契約法案要綱」は、労働者側委員が就業規則による不利益変更に不満を表明したものの、判例法理における現状を認めたため、「おおむね妥当」として答申されました。「労働基準法の一部を改正する法律案要綱」については、「労働側が自己管理型労働制と企画業務型裁量労働制の中小企業への拡大に反対し、企業側が割増率の引き上げに反対した」とする意見を併記した上で、「おおむね妥当」と答申されました。

 答申に先立つ討論では、意見を求められた商工会議所代表の経営者委員から反対意見が出されたことに対し、労働者側委員の代表は「こまっちゃう」と経営者側の不統一に困惑の態度を表明する場面があり、出来レースであることを、はからずも露呈する形になりました。

 たたかいは、政治の場に移ります。 政治の世界は、参議院選挙を前に労働法制の改悪をめぐって揺れています。いっそう批判を強める宣伝活動の強化など、これらの法案の国会上程を断念させるまで、手をゆるめることなく引き続き行動を強め、攻めて、攻め抜くたたかいを展開しましょう。
 第166国会は 「労働法制」国会
 今、通常国会では、労働契約法案などの外に、最低賃金法、パート労働法、雇用保険法など、労働者の働き方をめぐる法案が審議される見通しです。
 *最低賃金法は改善
 最低賃金法の一部を改正する法律案は、あまりにも低額な最低賃金額に対する批判の高まりの中で、最低賃金の基準の見直しを行い、これまでの基準であった、生計費を「地域における労働者の生計費」に、類似の労働者の賃金を「地域における労働者の賃金」に改正し、「労働者の生計費を考慮するにあたっては、生活保護に係る施策との整合性に配慮するもの」と改善されます。通常の事業の賃金支払い能力を考慮することは残されたものの、マスコミでは「最低賃金の引き上げ」論調で報道されているところです。
 又、罰則も強化され、最低賃金額以下しか支払わなかった者への罰金が二万円から五〇万円に引き上げられます。「生活保護との整合性」をめぐっては曖昧さを残していますが、最低賃金引き上げの可能性を広げるものになることは間違いありません。日本経団連が廃止を強く主張していた産業別最低賃金は、罰則適用のない「特定最低賃金」として残されることになります。
 *パート労働法は実効性に疑問
 パート労働法の一部を改正する法律案は、通常の労働者と同視すべきパート労働者に対する差別の禁止をうたってはいますが、「同視」の要件が厳密で、対象となるパート労働者がほとんどいないと言うものです。賃金水準についても均衡を求めるもので、その要件も、職務の内容、成果、意欲、能力、経験等を勘案するとして極めて限定的な労働者を対象とする内容です。
 *雇用保険法の改悪
 雇用保険法も、国庫負担の削減を図り、受給資格も六ヶ月の就労での給付が、一二ヶ月就労しなければ支給しないなど給付要件を改悪しようとしています。
 07春闘では、人間らしく働くルールの確立が、職場だけでなく、国会の場でも鋭く問われることになります。国会議員要請など、国会闘争を旺盛に進めていきましょう。