戦後レジームからの脱却をかかげる安倍内閣は、七月の参議院選挙で国民からきびしい審判を受けてもこの路線を変えようとしていません。改憲手続法が成立したもとで、今後三年間、「憲法をどうするのか」が問われることになります。改憲手続法の問題点をあらためて確認し、憲法を守る世論を大きく広げるために、東京地評としての役割が問われています。

外国の人も注目をしています(新宿西口)
   7月の参議院選挙で、自民・公明が惨敗し、参議院で与野党が逆転しました。憲法を改悪したいという参議院議員が53%に減少し、憲法審査会の実質的立ち上げは次期国会以降に先送りされることになりました。また、世論の変化も起きています。読売新聞の調査では、改憲賛成が10年ぶりに50%を割り46%になりました。九条改正反対は、第一項が80%、第二項が54%となっています。政治の大きな変化が起きつつあります。

  しかし、安倍首相の続投に見られるように、改憲勢力の巻き返しも強まる可能性を持っています。改憲手続法は、すでに成立しています。たたかいは、国民世論をどちらが獲得するかをめぐって改憲派と護憲派の「せめぎ合い」の段階に入っています。いま、運動を緩めることはできません。

 改憲を断念させる 攻勢的な運動を
 政治の変化を発展させるうえで秋のたたかいが重要です。東京地評は、安倍内閣を退陣に追い込み、解散総選挙を実現させ、「改憲策動を断念させる」攻勢的な取り組みを進めていきます。
今年のメーデー
   @職場九条の会の確立
 支部、分会などの単位で「職場九条の会」などの確立に取り組みます。世論獲得を見据えて、「地域九条の会」への組合員参加を促進します。
 A署名・宣伝行動の推進
  署名は、一人5筆以上を目標に、来年六月までに200万署名に取り組みます。
 「9の日」などの定期的な宣伝行動を各組織で取り組みます。
 B地域共同センター確立
 すべての行政区単位に「共同センター」の確立をはかります。
 C「九条改憲反対」で、労働組合の多数派結集をはかる取り組みを進めます。

   改憲手続きに負けない運動を

 今年5月14日、国民投票の手続きを定める国民投票法案、国民投票に向けた改憲案を国会で発議するための国会法「改正」案を含む改憲手続法案が自民・公明の与党によって強行成立されました。法案提出当初から指摘されていた問題点は、審議を通じていっそう明らかとなり、国民の中にも批判が起こりました。参議院段階で一八項目もの附帯決議がつけられた問題だらけの法律のもとで実施される国民投票でも、憲法改悪を許さない運動と、世論を大きくしていくことが重要です。

 改憲手続法の問題点
T 国民投票運動と公務員・教育者の地位利用
 刑事罰規定は、運動と国会での論戦を通じなくさせました。また、国民投票運動に政治活動禁止が適用されないことも審議の中で明らかとなりました。

U 最低投票率
 成立した法律は、最低投票率を設定せず、過半数を「実質的に有効投票の過半数」としました。投票率導入の附帯決議がされましたが、最も少ない賛成票で憲法改正が実現できるおそれがあります。
V 有料意見広告
 規制についての附帯決議がされましたが、資金力によって広告の量に差が出て民意がゆがめられるおそれがあります。
W 一括投票か個別投票か
 成立した法律では、国会の発議は「内容において関連する事項ごとに区分して行うものとする」となっており、不明確で曖昧です。
X 憲法審査会
  秋の臨時国会に設置されることになっていましたが、7月の参議院選挙の結果、当面見送られました。しかし、いずれは設置されます。また、審査会での憲法改正原案の審査は三年間凍結するとの附帯決議がされましたが、合同審査会で改憲案の骨子、要綱までは議論できるとなっています。