都知事選、8年ぶりのチャンス
  吉田さんの立候補表明で
   新たな変化が


木原 あけましておめでとうございます。女性センター連絡会の木原です。待ちに待った都知事候補として吉田万三さんが決意して下さいました。まずそのあたりから聞かせて下さい。
吉田 そうですね。安倍政権が発足し、憲法「改正」と教育基本法「改正」が第一の仕事というのですから、来年の一斉地方選挙、参議院選挙というのは、日本の将来にとって大事な選挙になるという思いがあったんです。いずれにしろ、あのとんでもない知事をそのままにしておいたんではだめですから、私が、一番バッターとして頑張らなきゃって思ってるんです。
木原 堤さん、どうでしょうか。
 45万東京地評として感謝申し上げたいと思います。四年前に革新都政をつくる会が候補者を擁立できずに、大変残念な思いをしましたが、8年ぶりにチャンスがきました。ぜひ吉田万三革新都政を実現したいと思います。私たち労働組合は、2003年に東京地評と東京労連が合流して新たな部隊になりました。その東京地評、昨年九月の大会で「革新都政をつくる会」に全会一致で加盟を決めた。労働者も応援体制が整ってきているということです。
吉田 実は今回、私も堤さんとともに何とか候補を擁立しなくては、という立場で会議に参加していたんです。でも、手をあげる人がいない。風向きが変わるのをずっと待っていたんじゃ、自然現象じゃないから。いつまでだって変わりはしないんでね。
 吉田万三さん
1947年目黒区生れ、北海道大学歯学部卒、歯科医、元足立区長

木原 今が出番だと。
吉田 ええ。しかもいよいよ半年も切ってですから。みずからが風を起こさないとだめだな、という気持ちでしたよね。
 僕は、吉田さんが本格的な活動をはじめたことで、都民の間に変化が現れていると思うんですよ。一つは、知事の都政私物化を日本共産党の都議団が発表していますでしょ。そのことで、石原知事が「共産党の情報操作にのっている」と言っちゃった。そしたら記者が「共産党の尻馬に乗って書いているわけではない」「情報操作という話があったが、その認識は改めてもらいたい」と言ったわけですよね。マスコミの中にも、石原知事でいいのかどうかという思いが出てきてんじゃないかなと。
木原 そうですよね。
 二つめは、昨年一一月に、プロデュース2007という市民団体のシンポジウムがありまして、自民党と公明党をのぞいて、吉田万三さん、それから都議会に議席をもつ政党も、ない政党も含めて参加がありました。そこで、障害者の方が「分裂選挙というのは残念だ。でも吉田さんが出てくれたことによって共同のテーブルができた」「そういう意味では大変意義のある出馬だ」と切々と話をしてました。共感が広がっていると思うんです。
木原 万三さんの人気も広がっていますよね。
 吉田さんの人柄ね、八丈島に単身で行って歯科診療を始めたり、足立区という全国で一八番目の都市の区長をやられているという実績。それから「結集軸は憲法と税金の使い方」という呼びかけ。すごく共感を呼んでいます。また話がわかりやすい。「石原は虚像、私は万三です」と(全員 笑い)。これはなかなか、得がたいキャラクターですね。それと、障都連の市橋博さんが吉田さんのことを知っていると。
吉田 彼は僕より学年は二つぐらい下かな。
 吉田さんは近所に住んでいる自分とよく遊んでくれたとおっしゃっていました。温かい心を持っている人だなと感じましたね。
木原 万三さんの歯の治療は痛くないとか。
吉田 それは諸説あるんですけど(笑い)。
都政を転換する3つの目標
@ストップ「格差と貧困」。税金の使い方をきりかえて、くらし・福祉・医療・教育・営業を守り、都民にあたたかい、安心してくらせる東京をめざします。
Aオリンピックに名をかりた大型開発を見直し、みどりと環境優先、安全で住み続けられる街・東京をめざします。
B憲法・教育基本法・地方自治法を守り、その精神で都民が平和でのびのびと働き学ぶことのできる東京をめざします。(06・10・24発表文より)
 憲法を都政の隅々にいかす
  政治の一番の仕事はくらしの保障


吉田 私、よく、こういう話をしているんですよ。阿部首相は「再チャレンジ」っていいますけど、これはイス取りゲームなんだと。イスは増やさないでおいて、みんな再チャレンジで戦わされているみたいな。これじゃダメなんだと。政治の責任は、イスをちゃんと増やして、みんながちゃんと働ける、みんなが安心できるくらしを保障するってことですからね。
木原 それと格差と貧困の問題ですが。
吉田 今、病気になってもなかなか病院にかからない。かかれば自己負担がありますから。で、だいぶ悪くなってから担ぎ込まれるというのはいっぱいあります。病人になっても患者になれないんです。それから、昨年六月に住民税の大増税の通知が来ました。これは一回で終わらないで、今年もさらに追い討ちがきます。これが全部国民健康保険料、介護保険料にはねかえります。高齢者の医療費負担率も、一年半後には七〇〜七四歳は一律二割負担になるという状況ですから。私、オリンピックの大型スタジアムや地下トンネルに八兆円かかるっていうのもひどいけど、毎年一千億積むという話のほうに反応しちゃったんです。要するに一千億円金があるということですから。
 堤敬さん
東京地評議長、東京自治体労働組合総連合中央執行委員長
木原 石原知事らしいですよ。
吉田 今までお金がないからと、福祉の切捨てをずっとやってきた。老人福祉手当をなくし、シルバーパスもなくす。視覚障害者の盲導犬のエサ代まで削ることをやっていながら、オリンピックに毎年一千億円積もうっていうわけです。
 地方自治体、都政の本来果たすべき役割はますます重要になっていると思うんです。それと今年は憲法が施行されて六〇年という節目の年です。憲法を都政の隅々に生かす知事への期待を大いにつくっていきたいと思っています。
吉田 たとえば、公務員バッシングだっていまだに続いているでしょ。ほんとの狙いは公共サービスを切り捨てたり、売り渡しちゃうことだと思うんです。都立病院だって統廃合。看護士がこんなに足らないのに看護学校も統廃合。救急車も有料化を始めるみたいなね。運営を委託した練馬区の保育園。ここでは保母さんが居つかないわけですよね。子どもを安心して預けていられないと父母が練馬区に文句を言って、練馬区当局もピジョンを指導せざるを得なくなっています。
吉田 救急車の話なんかでも、医療機関から医療機関の移送の有料化が始まってる。だけどもう、アメリカなんか全面有料化になってますから。救急車どころじゃない、消防車だってそうなりかねないようなね。火事ですっていうと、お宅いくら払えますかみたいなね。
 今やろうとしている市場化テストとか独立行政法人とか指定管理者制度の問題。これはすべて利潤追求を目的とする営利企業に開放しようということでしょ。五〇兆円市場ですよ。
吉田 教育に関しても石原都知事はひどい。
木原 全都一斉学力テストの四回目が一月に実施されます。ますます子どもたちや学校・保護者が点数や競争に追い立てられることになります。学力が低いところこそ人もお金もかけてていねいに教えることが大切なのですが、いまだに東京だけは三十人学級をやらないと言っています。
吉田 要はみんなをあせらして、連帯を断ち切っていく効果しか生み出さない。子どものうちから再チャレンジの練習させるみたいなもんです。
 石原都知事は虚像
   都政の私物化に都民の怒り


木原 石原都政、二期八年が終わろうとしているんですが、特に最近は都政の私物化が大問題になっています。
吉田 そうですね。だいぶボロも出始めてきましたよね。私物化の実態だとか豪華海外視察とか、マスコミにも取り上げられるようになりました。しかし、まだ多くの都民にはそういう実態が十分知られていないということを感じますね。だからその点は、もっともっと、「とんでもない知事なんだ」と言うことを知らせていかないといけないと思うんです。それと、都民は一二〇〇万人でしょ。だから、団体にご挨拶にまわって、街頭で何箇所か演説をしてというような、今までの延長線上のことをやっていても、ちょっとちがう。鍵は世論をどうつくりあげるかですよね。石原知事って演出されて、「石原さんはやってくれそうだ」とか、「実行力がありそうだ」とかという幻想がまだあるし、強さに惹かれる気持ちというのが、やっぱりあるんですね。足立区だってそういう人が結構いたんですから。都知事は「石原」、区長は「吉田」、みたいなね。全員 へえー(笑い)。
木原秀子さん
東京地評女性センター連絡会代表、東京都教職員組合執行委員
吉田 「なんかやってくれそうだ」、閉塞感を打ち破ってくれそうだっていうようなことに期待してしまうんでしょうね。
 まだ、選挙をマスコミが大々的に取り上げる、というところまでいっていないわけで。私たちの運動の広がりをもっと拡大していかなきゃいけないと思うんです。
 今、青年労働者のところでね、自分たちの権利に目覚め、青年ユニオンなどが都内のあちこちででき始めています。痛めつけられた庶民、都民がそろそろ気づき始めている、というのかな。そういう状況があるんだと思うんですよね。広範な未組織の労働者に働きかけていく、そして、市民団体といわれる層にどれだけ深く浸透していくかということが、今、求められているんじゃないかと思います。
吉田 若い人にはほんとに期待しますよね。「たたかいって面白い」とか「たたかえば、けっこうやれるじゃない」っていうことを経験することはすごく大事で。
 それと、政党の組み合わせで票が何票という話しの時、吉田さん、さすがだなと思ったのは「過去の積み上げだけで考えちゃ、これは勝負にならないよ」といわれた。まさにそのとおりだと思いましたね。いわゆる無党派層の人たちの共感を勝ち取る運動をできるかどうか、ということだと思うんです。
木原 対談も終わりに近づきましたが、堤さん一言。
 東京地評としても、私を本部長にして闘争本部を立ち上げて、たたかう体制をつくりました。また、東京地評未加盟組合や組織として吉田万三さんを推薦できない、という人たちの思いも結集できるようにということで、「革新都政実現めざす労働者連絡会」をつくって、広範な労働者の力で吉田さんを知事に押し上げたいな、と思っています。
木原 それでは万三さん、決意を一言。
吉田 あと三ヶ月の勝負となりました。これまで多くの団体や集まりに出かけ、私に対する期待をひしひしと感じました。新しい政治の流れをつくっていくため全力を尽くします。
木原 石原都政を転換するため私たちも頑張っていきたいと思います。今日はありがとうございました。 都政を転換する3つの目標 @ストップ「格差と貧困」。税金の使い方をきりかえて、くらし・福祉・医療・教育・営業を守り、都民にあたたかい、安心してくらせる東京をめざします。 Aオリンピックに名をかりた大型開発を見直し、みどりと環境優先、安全で住み続けられる街・東京をめざします。 B憲法・教育基本法・地方自治を守り、その精神で都民が平和でのびのびと働き学ぶことのできる東京をめざします。