東京地方最低賃金審議会は、8月25日に東京都最低賃金を27円引き上げ、「一時間766円」の答申を行ないました。今年の最低賃金の改定は、改正最低賃金法の下で、「生活保護を下回らない」大幅な引き上げが期待されましたが、昨年の20円引き上げを上回ったものの、生活保護基準に遠く及ばないものです。違法な答申を許さず、法令遵守を求めていきます。
  生活保護基準を上回る最低賃金実現を
     最低賃金「766円」を答申
         東京地方最低賃金審議会が違法答申

 最低賃金1000円以上を求めて東京労働局前座り込み
 東京春闘共闘は、東京の最低賃金改定が「生活保護を下回らない」ためにはどのような試算を行っても時間給1000円以下にはならないことを明らかにした要請書や意見書を提出してきました。しかし、中央最低賃金審議会が出した「目安」答申は東京の場合、生活保護との「乖離額は80円」というものでした。しかも、2年から3年かけて解消するという法違反の内容です。

 また、「乖離額」を少額に見せる「からくり」は、生活保護で受けられる働く生活困窮者に対する就労必要経費分、東京では約四万円を一切考慮せず、生活保護法をかってに改ざんすることで導き出したものです。
 東京地方最低賃金審議会の「答申」はこの中央最低賃金審議会の「目安」答申に沿って行なわれたものにほかなりません。わざわざ、生活保護制度の理解を深めるために参考人として招いた東京都の生活保護の担当者が生活保護を上回るには時間額1150円以上必要との見解を無視していることからも明らかです。

 今回の改定の結果、全国各地の最低賃金の格差がさらに広がることになり、地方の衰退をいっそう促進することになりかねません。労働基準が地方ごとに異なるという現行の最低賃金制の矛盾が深まっています。全国一律最低賃金制の確立を展望しつつ、引き続き時給1000円以上、生活保護基準を上回る最低賃金の実現に向けた取り組みを強めています。

 健康で文化的な最低生計費は1339円

  最低生計費試算(単位 円)

















25
u

消費支出
172,529
食費
41,064
住居費
54,167
水道光熱
8,768
家具・家事用品
4,001
被服及び履き物
6,897
保健医療
4,328
交通・通信
16,211
教育
0
教養娯楽
15,862
その他
21,231
非消費支出(税社保)
43,129
貯蓄予備費
17,000
最低生計費(税抜き)月額
189,529
(税込み)月額
232,658
(税込み)年額
2,791,896
  東京地評は今春、首都圏の県労連、全労連、労働総研と協力して、最低生計費の試算に取り組み、組合員の皆さんをはじめとした多くの人たちの協力を得て「生活実態調査」「手持ち財調査」を行ないました。そして、7月に中間報告として、若年単身者の最低生計費試算を発表しました。最低生計費は、最低賃金や生活保護を考える基礎資料となるだけでなく、賃金闘争一般にも適用できるものです。

 最低生活の保障を考える上で、健康・生命を維持するための「生活の質」と社会・文化的な「生活の質」を満たすものとして、25歳単身労働者世帯の「最低生計費」は、月額23万2658円、時給1339円という結果となりました。ほぼ生活保護基準と同額で、私たちの最低賃金の要求の正当性を示すものとなっています。