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働く悩みQ&A
Q 会社が倒産。給料がもらえない?

A 会社が倒産等によって、労働者への賃金や退職金が未払いになったときには、「賃金の支払の確保等に関する法律」の規定によって、未払いの賃金・退職金の一部を、国が事業主に変わって支払う未払い賃金の立て替え制度があります。退職日の6ヶ月前から支払日が到来している賃金総額の8割となります。ただし、年齢による限度額があります。

全国チェーンの整骨院が新型コロナによる経営不振から倒産。労働者1400人が解雇された際、だれでも入れる労働組合に相談したところ、内定取り消しになった人も含めてほぼ全員に未払い賃金が支払われました。

Q 経営悪化を理由に減給&ボーナスカットされた。

A 会社の都合で賃金や労働時間など、労働条件を労働者の合意無く一方的に不利益変更することは原則出来ません。労働条件の変更は、あくまでも労働者と個別の同意により行うことが原則となっています(労働契約法第9条)。賃金やボーナスカット、契約期間の変更・打ち切りなどが提案されたときは、まず労働組合にご相談ください。

実際に東京女子医科大学では、新型コロナを理由にボーナスゼロにされそうになっ
たとき、多くの職員が私たち労働組合に加入し声をあげたことで、ボーナスゼロを撤
回させることができました。まずは労働組合にご相談ください。
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Q 月40時間の残業。これって違法?

A 労働基準法では、法定労働時間は1日8時間、1週間で40時間と定められています。これを超えて労働(残業)を命じる場合には、会社と労働者(労働組合)との間で労働基準法第36条の定めにより労使協定(36協定)を締結し、労働基準監督署に届けなければなりません。36協定を締結せずに法定労働時間を超えた時間外労働を行わせることはできません。
 時間外労働の上限は原則月45時間、年間360時間となっていますが、臨時的な特別の事情により働かせる場合は、別途の上限規制が定められています。違反すれば罰則が科せられます。
 また、労働基準法第37条で、法定労働時間を超えて働かせたときや法定休日に働かせたとき、深夜に働かせたときは、それぞれ政令で決められた割増率に基づいて計算した割増賃金(2.5~3.5割増以上)を払わなければなりません。また、1か月60時間を超えた時間外労働については割増率が5割となります。

Q 見込み残業代により残業をしても給料は変わらないと言われた。

A 最近、給料に予め「見込み残業代」を支給するケースがあります。労働基準法で定められている割増賃金を含んだ残業代を下回らない限り問題はありませんが、「見込み残業代」を超えて働いた場合は、差額を支払わなければなりません。基本給と時間外賃金額が雇用契約や就業規則によって明確に区別され、何時間分であるかが明確でなければなりません。
例えば「見込み残業代」が40時間分である場合において、実際の残業時間が40時間を超えた場合は、超過分の残業代を支払うこととなります。これは年俸制も同様です。

Q.コロナで休業中なのに、パートには給料を支払わないと言われた。

A どんな労働者に対しても、会社の責に帰すべき事由(会社の事情)により休業させた場合、会社は1日当たりの平均賃金の6割以上の休業手当を支払わなければなりません(労働基準法第26条)。コロナ禍が理由であれば、会社は国の雇用調整助成金制度を活用し、従業員に支払った休業手当の助成を受けることが可能です。中小企業であれば、休業支援金・給付金の申請もできます。会社に制度活用を求める必要があります。休業支援金・給付金は労働者個人が申請することもできます。

Q どこからがセクハラになるの?ハラスメントは止められるの?

A セクハラとは、男性から女性、女性から男性、同性間、LGBT(性的少数者)に対して、相手の意に反する性的言動のことを指します。相手の尊厳を傷つけ、安全で快適に働くことを阻害する行為です。
 代表的なものでいえば、
 事業主や上司が、労働者に対する性的な要求を拒否や抗議をされたために、解雇や降格、配置転換などを行うこと。性的な言動で相手が不快に感じ、職場にいるのが苦痛になったり、働く意欲を損なわせたりすることです。
 また、職場のあらゆるパワーハラスメントへの対策が法制化され、事業主は防止のための措置を講じることが法的に義務付けられました。
〇事業主が講ずべき措置
1.ハラスメントの内容、方針等の明確化と周知・啓発
2.行為者への厳正な対処方針、内容の規定化と周知・啓発
3.相談窓口の設置
4.相談に対する適切な対応
5.事実関係の迅速かつ正確な確認
6.被害者に対する適正な配慮の措置の実施
7.行為者に対する適正な措置の実施
8.再発防止措置の実施
9.業務体制の整備など、事業主や妊娠等した労働者等の実情に応じた必要な措置
10.当事者などのプライバシー保護のための措置の実施と周知
11.相談、協力等を理由に不利益な取扱いを行ってはならない旨の定めと周知・啓発
 厚労省には、ハラスメントの相談窓口が設けられています。匿名で相談できます。
   ハラスメント悩み相談室 https://harasu-soudan.mhlw.go.jp/

Q 試用期間中に最低賃金以下で働かされた。
A 最低賃金は、最低賃金法により都道府県ごとに定められている賃金の下限額であり、事業主は労働者をそれ以下で働かせることができません。最低賃金以下で働かせることは法律で禁止されています。かりに働かされていた場合は、3年間さかのぼって請求することができます。

Q 労働条件が話とちがう。

A 会社は労働条件を書面で明示する必要(労働基準法15条)があります。また、パートタイム労働法6条では、働くものにとって重要な賃金その他労働条件について書面で明示することを義務付けています。その内容は、①労働契約の期間、②就業の場所、③従事すべき業務、④始業・終業時刻、⑤所定労働時間外労働の有無、⑥休憩時間、⑦休日・休暇、⑧交替勤務等の配置、⑨賃金の決定・計算・支払の方法、賃金の締め切り・支払の時期、⑩退職に関する事項などです。
 言った・言わないのトラブルを避けるためにも、書類(労働条件通知書や雇用契約書)の交付を求めましょう。

Q 仕事を辞めたいのに辞めさせてもらえない。

A 無期雇用(雇用期間の定めのない雇用契約)の場合、 2週間前に申しでれば退職することができます(民法627条1項)。有期雇用(期間の定めのある雇用契約)の場合は、怪我や病気、家族の介護などやむを得ない事由がなければ、その期間中は退職ができないことになっています。ただし、有期雇用の場合であっても、労働契約を結び1年を超した日以降は使用者に申し出ることで雇用契約を解除することができます(労働基準法第137条)。
 また、明示されていた労働条件が異なっていた場合、雇用契約を即時に解除することができます(労働基準法第15条)。

Q 「明日からこなくていい」と言われた。

A 使用者が労働者を解雇する場合、労働基準法第20条により30日前の予告か30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。試用期間中であっても、14日を越えて雇用した場合には、この手続きが必要です。ただし、解雇は合理的な理由がない限りできません。解雇する場合は、以下の4つの要件を満たす必要があります。
① 経営状態が悪化していて、余剰人員が存在しているなどの解雇の必要性
② 新規採用の中止、配置転換、希望退職など解雇を回避するために力をつくしたか
③ 解雇をしようとする人選基準が合理的・公平・その仕方も合理的かどうか
④ 労働者(労働組合など)と整理解雇について協議するなど十分な説明・話し合いが行われたのか。
有期雇用(期間の定めがある雇用契約)の場合、繰り返しの契約更新がされていた場合は、少なくとも30日前にその旨を予告することが必要です。不本意にも雇止めがされたときは雇止めの理由についての証明書を請求できます(労働基準法第22条)。

Q 有給休暇の理由を聞かれ、「友達と遊ぶ」と言ったらとらせてもらえなかった。

A 労働基準法第39条は、「使用者は、有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない」と定めており、理由の如何によって有給休暇を与えないことは違法となります。有給休暇を申請する際、会社によっては、書面で申請しなければならないところがあるようですが、どんな理由であれ、有給休暇の取得を事業主は拒否することはできません。

Q 有給休暇をとらせてもらえない。

A 労働基準法の定めで、年次有給休暇は権利として取得できます。6ヶ月間継続して働き、決められた労働日数の8割以上出勤すれば、年次有給休暇を取ることが出来ます。1回の雇用契約期間が短くても、雇用契約を更新して通算6ヶ月以上働けば、同様の権利が与えられます。会社は、10日以上の有給休暇が付与されている労働者に毎年5日間以上、時季を指定して有給休暇を取得させなくてはいけません。

https://www.mhlw.go.jp/content/000463186.pdf