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25都議選 都政問題研究家に聞く 小池都政の検証 

 小池都政が誕生して9年が経ちましたが、果たして都民の暮らしは改善されたでしょうか。東京のまちは住みやすく、地球に優しい都市に変わったでしょうか。あるいは、都政が「都民の声が届く」身近な自治体に生まれ変わったでしょうか。都政問題研究家・末延渥史さん(革新都政をつくる会)が、暮らし、地球環境、都民の声が届く都政への変革という3つの視点から、小池都政とそれを支える都議会について検証します。

【都政問題研究家に聞く】小池都政と都議会を問う3つの視点

【都政問題研究家・末延渥史記】小池都政を検証すると、第一に、都民のくらしの問題です。いま、多くの都民は異常な物価高騰と歴代自民党政権による消費税大増税、社会保障の連続改悪、雇用破壊もとで困窮の度を深めています。こうしたときに「住民の福祉の増進」を使命とする自治体が果たすべき役割は都民の防波堤となり、切実な都民要求に積極的に応えることです。

 ところが小池知事は、9兆円(一般会計)を超える潤沢な予算を有しながら、これを都民のために使おうとしません。抜本的な物価対策や中小企業予算の拡充、小中全学年での35人学級実施、19年間1円も改善されていない障害者福祉手当の増額、都営住宅の新規建設などの要求には応えようとはせず、都民のくらしは悪化する一方です。

 第二に地球に優しい都市に変わったかです。この点で小池知事は石原都政以来の超高層ビル再開発による都市再生を引き継ぎ、「稼ぐ都市」といって東京大改造を「爆速」ですすめています。実際に、東京ではこの25年間に高さが100mを超える超高層ビルが441棟(2026年完成まで)も建てられ、その床延べ床面積は千代田区、港区、中央区の行政面積を上回っています(表①参照)。これにより二酸化炭素が増え、地球温暖化を加速し、異常気象やヒートアイランド現象など都民生活と地球環境を危うくさせています(表②参照)。

 第三に、「都民の声」が届く自治体に生まれ変わったかです。小池知事は財界や一握りの富裕層の声・要求には熱心に耳を傾ける一方で、都民の切実な声と要求を冷たくあしらい、都立病院の独立行政法人化を強行しました。また選挙で公約した全面的な情報開示を反故にしました。

 都議選では小池都知事の都民不在の都政運営を支え、お墨付きを与えている与党自公都民ファに厳しい審判を下しましょう。