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事務局長談話
第49回衆議院選挙(21年10月31日投票)の結果について
2021.12.06

 第49回衆議院選挙は、新自由主義政策を推進して貧困と格差を拡大させ、自己責任論で国民を抑圧し、改憲を策動し、コロナ対策に失政を繰り返して多くの命を犠牲にした安倍・菅政治を根本から転換すべく、初めて市民と野党共闘が政権交代をめざした選挙でした。
 与党自民党は、幹事長や現職大臣等が小選挙区で落選する限定的敗北を喫し、15議席を減らしたものの小選挙区制度の下、単独で絶対安定多数の261議席を獲得しました。公明も32議席を獲得。戦後3番目の低投票率に加え、自公政治への批判票の受け皿となった日本維新の会が第3党に躍進。市民と4野党共闘の統一候補は、選挙区で競り勝つ成果も得ましたが、全体で議席を減らしました。
 しかし、4年前の衆議院選挙は「希望の党」の結党と民進党の合流、失速という野党共闘の分裂があり、そこから市民と野党共闘は新たな土台を積み上げて、4野党の「共通政策」を合意して選挙戦となりました。前回衆議院選挙との比較で野党共闘は42議席を増やし、着実な前進を勝ち取っていると評価できます。

 東京地評は、2020年の東京都知事選挙、7月の都議会議員選挙で首都東京の市民と野党の共闘を「呼びかけ人会議」を通じて実現し、都議会での政治勢力に変化をもたらしました。この成果は国政での野党共闘の土台にもなり、市民連合と4野党は「共通政策」を合意し、政権交代の受け皿となりうる勢力として結実しました。東京では18選挙区で統一候補が実現し、共闘した4野党の合計得票数は増加し、8区での歴史的な勝利をはじめ7つの小選挙区で共闘候補が議席を獲得しました。
 今回、短期間の選挙戦で「共通政策」は広く国民に知らせるに至りませんでしたが、市民と野党共闘は重要な成果と教訓を学び、鍛えられました。ほぼ全ての党派に「貧困と格差の解消」「労働者・国民の所得増加」「ジェンター平等問題」「温暖化防止」を重要争点に押し上げさせたことは、4野党「共通政策」と、それを支える広範な世論と市民運動、労働運動の成果です。

 新たな衆議院議員勢力は自公維新が3分の2を超えました。岸田首相が唱える「新しい資本主義」は新自由主義の深化(悪化)であり、労働者・国民からの搾取を一段と強める安倍・菅政治の継承です。また、「改憲発議」や敵基地攻撃能力などの軍事力強化を許せば、日本をはじめ北東アジアの平和は危機的な情勢となります。

 加盟組合では、労働組合の日常活動を強化するなかで、要求の実現と政治の関わりを組合員の視点で深めていきます。来年7月の参議院選挙にむけて、労働者・国民の要求を託せる勢力はどこか、見極めていくことは重要です。

(東京地評事務局長・井澤智)

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