HOME労働相談の事例集■第191回 オルグの現場から 157 職場のトラブルは労働組合で解決を
労働相談の事例集
■第191回 オルグの現場から 157 職場のトラブルは労働組合で解決を
2020.10.15

企業規模10人程のビルメンテナンスで働く青年。

 残業代込みで月給25万円だったが、突然社長から給与を5割カットすると言われた、違法ではないかという相談。
 業績不振になったからといって、説明や合意なしに突然カットするのは問題。職場規律あるいは企業秩序を乱した場合、使用者がその労働者を罰することを制裁(口頭注意や始末書などから懲戒解雇に至るまで、数種類の定めがある企業が多い)するケースがある。
 段階的な減給を規定している場合があるが、月の賃金総額の10分の1を超えてはならない(労基法第91条)。解決のため個人加盟の組合を紹介した。 

霊柩車の運転手。

 出車の声がかかるまで待機しているが、待機であり休憩ではない、まともに休憩を取りたい。
 職場にある労働組合に相談したが、取り合ってくれないので何とかしたいという相談。
 労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間超の場合は少なくとも1時間の休憩を、労働時間の途中で与えなければならない。
 また、休憩時間について①労働時間の途中に②一斉に③自由に利用させるのが原則として定められている(労基法第34条)。組合に相談して解決を、と関連の組合を紹介した。

 運輸関係に働くDさん。

 有給を使い切り退職しようとしたら、次の人に仕事を教えてから辞めてと退職を引き延ばされた。会社の言う通りにしないといけないのかという相談。
 個人の退職事情があるのであれば自分を優先させればよい。民法では、申し入れから2週間を経過すれば、使用者の承諾がなくても労働契約は終了する(民法第627条第1項)。口頭ではなく、書面で「退職届」の提出等が望ましい。

小原正幸(東京地評労働相談員)

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