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労働相談の事例集
第184回 オルグの現場から 150 労働者・労組は職場の主人公  ~仲間を増やし要求実現を~
2020.03.15

医学系出版社の多くは東京大学医学部の著者関連もあり文京区に多く存在している。水上さん(仮名)は2019年8月末に20年近く勤務した医学系出版社(社長以下25名前後)で管理職として60歳定年を迎えた。定年後の「再雇用」への不安もありこの年の春にCU東京に加入。

会社は本人の了解もなくこの年の3月末で管理職を解き、一方的に一般職に格下げすることを通知してきた。CU東京文京支部は「理由もない」格下げ・賃金ダウンは労働条件の一方的変更であり受け入れられないと団体交渉を申し入れた。数日後に会社は辞令を撤回し定年まで管理職の「身分保障」を連絡してきた。その後「再雇用」の労働条件・賃金等について団体交渉を行い、退職時「年収」の60%を超える年収とすることでひとまず妥結(月例45万余円)、19年末一時金については改めて要求し交渉に入っている。

水上さんはCU文京支部に加入以降、地道に職場の仲間に労働組合の必要性を訴えてCU東京への組合加入を促進、支部として初めての分会を結成する状況を作り出してきている。と同時に職場の過半数以上の仲間に労働組合に入ってもらうべく継続的に奮闘中だ。

社長・経営者はどこでも労働者に対して圧倒的な優位に立ち様々なことを力で抑え込もうとする傾向が強く見受けられる。労働者・労働組合は職場の主人公であることを働く仲間に訴え、職場の様々な要求を基本に仲間づくりを行っていくことが重要ポイント。相手方の話にじっくりと耳を傾け対応策をアドバイスしていくことが非常に大きいポイント。単独での応対・相談は避けることが基本原則だ。

伊藤弘(文京区労協・CU文京支部ボランティア労働相談員)

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