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イスラエル・パレスチナ戦争の即時停戦を強く求める(幹事会談話)
2023.11.27

2023年11月24日

東京地方労働組合評議会 幹事会

  パレスチナ自治区ガザを統治するイスラム主義組織ハマスは10月7日、数千発のロケット弾をイスラエル領内に撃ち込み、境界を越えてイスラエル南部に戦闘員を侵入させ、一方的に戦闘を開始した。無差別にイスラエル市民を殺害し、誘拐・人質に取るというハマスの蛮行は、いかなる理由があろうとも許されない「テロ行為」・「戦争犯罪」である。ユダヤ教の休日「シャバット」(安息日)を狙った卑劣な奇襲攻撃は、国際法の明白な違反であり、人道上も見過ごすことはできない。ハマスの犯罪的戦闘行為に強く抗議し、人質全員の即時解放を強く求める。

イスラエルのネタニヤフ首相は「我々は戦争状態にある」「長期の厳しい戦争」と述べ、ハマスを「人間の姿をした野獣だ」「怪物」「根絶やしにする」として戦争を宣言した。敵とした相手を「人間以下の存在」に貶めるネタニヤフ首相の言葉は、ナチスがユダヤ人絶滅のレトリックとした歴史的悲劇を想像させる。

ガザ地区への空爆は数千カ所を超え、地上戦にも突入した。パレスチナ当局によると、ガザ地区では1か月で1万人以上の死者が発生、瓦礫の下に数千人が救出できずにいると伝えている。イスラエル側はハマスの攻撃開始当初約1200人の死者を出したが以後、戦争は恐るべき一方的な攻撃へと転換し、イスラエルによるガザ地区のパレスチナ人殲滅戦の様相だ。「ハマスが医療機関を攻撃の拠点としている」として救急車までもが爆撃され、病院へイスラエルの兵士が突入して戦場となり、病人や負傷者が直接攻撃・殺害される事態にまで悪化した。医療機関・病院への攻撃は国際人道法で禁じられた明白な違法行為である。

イスラエルは、ガザ地区への電力、食料、燃料など生活に必要な全てのインフラが遮断している。とりわけ飲料水の供給停止は、数週間のうちに数万人が脱水症状で命を落としかねない。国連は「前例のない人道的大惨事」になると警告している。

パレスチナ人はイスラエルによってジェノサイドに晒されている。これはかつてユダヤ人が体験した恐るべきホロコーストの歴史を、パレスチナ人に対し加害者となって行っていることではないのか。

今日の事態の根底には、イスラエルがこの間、パレスチナ自治区の住民を強制的に排除し、国際法違反のイスラエル人入植を拡大し続け、ガザ地区を封鎖して「天井の無い監獄」の状態に置き、人権侵害と空爆・侵攻を繰り返してきた過ちの歴史がある。

今次「2023イスラエル・パレスチナ戦争」「パレスチナ大虐殺」を終結させパレスチナ和平をめざすには、イスラエルの占領地からの撤退、パレスチナ独立国家樹立を含む民族自決権の実現、両者の生存権の相互承認という3つの原則、国連の一連の決議にある国際的なコンセンサスを守ることが必要だ。パレスチナ国家の実現とイスラエルとの平和共存は、戦争と一方的な「民族浄化」で達成できるものではない。ガザ地区を武力で占領し、ハマスの武装勢力を殲滅しても、全世界のイスラム教徒の怒りは収まらない。欧州では怒りにかられたローンウルフのテロが2件起き、死者が出ている。

イスラエルの国際法違反の状態を容認し続けた米国・欧州をはじめとするG7と西側先進国にも大きな責任がある。国連を議論の場とし、「3つの原則」を守らせる国際社会の努力は不可欠だ。

世界の良識ある圧倒的多数の市民は、イスラエルの一方的攻撃の中止と両者間の即時停戦、パレスチナ人の人権を守るよう、世界の各地で空前の規模の集会・デモを連日おこない声を上げている。集まっている人々の多くは、ネタニヤフ首相とイスラエル軍の戦争行為を、すべてのイスラエルの人々が支持しているとは考えていない。イスラエルが国際世論と国際社会から孤立を深めていくことも、決して望んでいない。イスラエルの一方的な殺戮行為に転換した戦争は、連日全世界に報道され、イスラエルに対する国際世論は悪化し、イスラエルの国家とそこに住む人々の将来を不安定な立場に落としている。報復戦争と市民の殺戮で「平和」をつくることができないことは、75年にわたる両国の歴史が証明している。

21世紀までも世界戦争の世紀としてはならない。

国連総会の緊急特別会合で、121か国の賛成で採択された「人道目的での休戦などを求める決議」が121か国の賛成で採択された。和平への第一歩として直ちに履行を求める。

イスラエルには、ガザ地区への即時攻撃中止と地上部隊の撤兵、ガザの人道・人権に関わるすべての制限処置の解除、ハマスには人質の即時全員解放を要求する。

「両国」の停戦を強く求める。

以上

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