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「賃上げは国民生活に大きなものになる」渡辺努氏が講演 24春闘に向けて討論
2023.12.15

 12月3日と4日、24春闘討論集会を湯河原ニューウエルシティで59人の参加で開催しました。

 主催者を代表し矢吹議長は「23春闘は厳しいながらもストライキを打って出る闘う姿勢が鮮明・力となり、前進面を勝ち取ることができた。労働組合に対する期待も広がっているが、闘いなくして物価高騰を克服する大幅賃上げは勝ち取れないことは明白。賃上げを獲得できる条件は広がっており、組合員を増やし成功体験をつくりながら、春闘を勝利したい。物価高騰による暮らしは悪化している。非正規や未組織労働者とも連携し、さらに中小企業支援策の拡充を求めて国民春闘を大いに盛り上げよう。」と挨拶を行いました。

 黒澤事務局長の来賓と激励の挨拶しました。

 東京大学大学院経済学研究科教授・渡辺教授が、「賃金と物価高騰の好循環は可能か」をテーマに記念講演しました。講師は「インフレが高まり経済政策の観点でも賃上げ機運が高まっている。23春闘では労働組合の奮闘で30年ぶりの高水準の賃上げとなったが、これを本流としていくために24春闘の賃上げ獲得は長期的な国民生活に大きなものとなる」とし、労働組合の奮闘への期待が述べられました。

 基調報告後、参加組織が24春闘について発言しました。

  • 日下さん(国立立川昭島労連)は、24春闘勝利に向けて従前の取り組み以上の取り組みが大切。
  • 津川さん(西多摩労組連)は、最賃宣伝など市民の関心が高まっており、やればやるほど反響が広がる情勢。24春闘でも多いに市民とともに闘いたい。
  • 山田さん(全国一般)は、労働者・国民に低賃金を押し付けてきた財界の横暴、安心して暮らせる社会保障、福祉を取りもどすことはまさに公共を取りもどすことに他ならない。社会システムを変えること、これが24春闘の大きな意義ともいえる。アメリカでは自動車労組が時給6390円になる成果を得た、そこには労働組合の闘いがあった。国民春闘の名にふさわしく、地域、職場での闘争を広げて勝利したい。
  • 植松さん(東京国公)は、物価高騰を上回る賃上げが必要であり、1975年には13.1%、も15,275円の大幅引上げを勝ち取った経験がある。当然生半可では出来ないが、未組織率が大多数な中で一般の労働者に広げるかが大きなカギをにぎる。女性の賃金格差是正や非正規の処遇改善、ジェンダー平等・差別をなくすなどの課題を大きく掲げ、産別を超えた官民共同を大いに盛り上げて春闘勝利に団結したい。同時に中小企業の事業活動支援にもしっかりと予算措置が講じられるように奮闘したい。
  • 鈴木さん(JIMITU)は、ストライキは経営にダメージを与えることが大きな目的ではなく、短時間であっても経営者、他労組にも大きな影響(仲間が団結、元気に、組織建設など)を与える。全国統一行動が産別を超えた仲間・労働者の団結を勝ち取り勇気を与える取り組み、みんなで闘い、国民春闘を取りもどしたい。東京春闘にはその取り組みを期待したい。
  • 徳永さん(自交総連)は、ライドシェア導入論議が急ピッチですすみつつある。一部大企業の儲けの術として利用者の安全安心をないがしろにし、国民の移動する権利も奪うライドシェア反対を地域や労働諸団体と共同して阻止したい。
  • 水谷さん(東京国公)は、国大法改正が大詰めとなっている。学長の上に管理機構を設置し、委員の委嘱は文科省の承認事項とするもの。政府、政治の介入を大学・教育の場に持ち込むことは平和や民主主義、学問の自由を脅かすもの。断固阻止したい。

 春闘の向けた構え、公共を取りもどす課題、組織建設、産別を超えた大衆的な国民春闘構築、平和、中小企業支援などを視点から22人の方から発言が行われました。

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