2026年1月8日 東京地評常任幹事会
米国トランプ政権は2026年1月3日、ベネズエラを軍事攻撃し、ニコラス・マドゥーロ大統領とその妻を拉致・拘束し、米国内へ移送した。この軍事行動の被害の全貌はいまだ明らかでないが、100人以上の人命が失われたと報道されている。
東京地評は、米国による国際法と国連憲章に明確に反するこの一方的な軍事攻撃と、国家元首の拉致、拘留を強く非難する。
米国トランプ大統領が命じた軍事行動は、国連憲章第2条第4項・武力不行使の原則を一顧だにせず確信的に破っている。他国の主権を侵害し、軍事力を行使して国家元首を拉致するなどは国連憲章違反以前の蛮行であり、まったく許されない。さらには、米国の意にそわないコロンビア、キューバ、メキシコ、イランを武力威嚇し、NATO加盟国のデンマーク領グリーンランドへの領土的野心を隠さない姿勢は19世紀の砲艦外交そのものである。
米国は建国当初から合衆国憲法の歴史的意義・進歩的理念とは裏腹な対外政策を行い、先住民族の生命・財産を収奪して国土を拡張し、自国の利益中心に世界各国へ軍事的・経済的に介入して政権転覆など繰り返してきた。介入を受けた各国の国民は、主権を奪われ、人権を蔑ろにされ、多数の命を奪われ、国土を文字通り破壊された。
とりわけ中南米地域は、米国の「裏庭」として繰り返し軍事介入されてきた歴史があり、米国資本による経済的収奪によって中南米諸国全体の民主主義・立憲主義と国民経済の発展に深刻な被害をもたらしてきた。今回のベネズエラへの攻撃は、植民地支配とたたかい、独立を勝ち取り、幾多の困難を乗り越えてきた中南米諸国の歴史的な歩みに逆行するもので、世界史的視点でも暴挙でしかない。
世界最大の原油埋蔵量をもつベネズエラの石油資源を米国資本が「強奪」する意図をトランプ大統領は隠そうともせず、麻薬対策などは口実でしかない。米国に従属しない政権を武力で転覆する、これは帝国主義戦争である。
ベネズエラのマドゥーロ政権は、人権侵害や国内政治と経済の混乱など批判されるべき点もあることだろう。しかし、ベネズエラのことはベネズエラ国民が決めることであり、深刻な人権侵害などあるならば、国際社会として国連や南米の多国間条約・協定の枠組みなどを利用した外交努力によって解決に導くべきだ。世界で突出した軍事力を持つ米国が単独で「軍事的解決」しようとするレベルの問題では断じてない。
米国トランプ政権は、ベネズエラの民間船舶を公海上で警告なく爆撃して乗員を殺害するなど国際人道法にも違反し、米国連邦議会の承認なく軍事侵攻に踏み切ったことは合衆国憲法にも抵触するといえる。
東京地評は、米国の軍事行動を強く非難し、今後同様の行動を起こさないよう要求する。日本政府に対しては世界に誇る日本国憲法に立脚して、米国へ力による現状変更に強く抗議し、軍事作戦の停止、ベネズエラ国民の主権と民族自決権の遵守を求めるよう要求する。
東京地評は、米国の無法な軍事攻撃に対し、合衆国憲法を支持する圧倒的多数の良識ある米国民と米国の様々な運動と連帯して、トランプ政権の軍事外交に反対する。
東京地評は、国際法と国連憲章の原則に基づく行動を全ての国の政府に呼びかけ、平和と民主主義のために世界の労働者、労働組合運動と連帯して行動する。
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