2025年、私たちは戦後80年という歴史的な節目を迎えました。日本は、無謀な侵略戦争の末に広島・長崎での原爆投下という未曾有の惨禍を経験し、憲法9条を中心とした平和憲法を礎に歩みを始めました。唯一の戦争被爆国として、私たちは「二度と戦争をしない」という誓いを世界に発信してきました。
しかし今、世界と日本は再び戦争と暴力の時代へと向かう危機に直面しています。ロシアによるウクライナ侵略戦争とイスラエルによるガザへの無差別攻撃は国際法と人道を踏みにじるものです。イスラエルを支えるアメリカの軍事支援は、民間人を容赦なく犠牲にしています。力による現状変更を容認せず、対話と協調による平和の構築こそが、私たちが選ぶべき道です。
国内でも、長年にわたる自民党政治は「財界中心・アメリカ追従」の姿勢を続け、格差と貧困を拡大させてきました。物価高騰に実質賃金が追いつかず、最低賃金近傍で働く労働者が700万人を超える今、生活の困難は深刻さを増しています。さらに、軍事費を膨張させる一方で社会保障や教育は切り捨てられ、憲法改悪の動きが加速しています。参議院選挙では、差別と分断をあおる極右ポピュリズム政党が議席を伸ばし、民主主義と立憲主義の根幹が揺らいでいます。こうした政治の流れを許せば、平和も生活も破壊されてしまいます。
労働組合は、すべての人間の尊厳と権利を守る運動体です。労働者の命と暮らしを守るたたかいは、戦争と差別の根源に抗うたたかいでもあります。排外主義や歴史の歪曲、弱者切り捨てに対して、現場から声をあげるのが私たちたたかう労働組合の役割です。平和なくして労働の尊厳は守れず、労働者の声なくして民主主義は成り立ちません。
戦後80年のこの日にあたり、私たちは強く訴えます。どの国のいかなる戦争にも反対し、憲法9条を守り、核兵器を廃絶し、人権と民主主義を徹底的に擁護する社会を実現する。そのために東京地評は、すべての労働者・市民とともに「生活と平和をかけたたたかい」にさらなる奮闘を続けます。
2025年8月15日
東京地方労働組合評議会(東京地評)幹事会