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急いで!全国一律最低賃金¥1500円
OECD資料より作成

賃金が低いのは自己責任ではありません。

OECD(経済協力開発機 構)の調査で日本は加盟35カ国中22位、過去20年の上昇率は0.4%でほぼ”定期昇給ゼロ” 。トップの米国とは率で44%の大差、隣国の 韓国には6年前に逆転されました。日本はいまや「賃金の安い国」です。

OECD資料より作成

実は、日本は「先進国」のなかで賃金が下がっている国です。1997年と2020年の23年間の賃金を比較すると、イギリスは94%増えています。アメリカは92%、フランスは75%、ドイツは63%増えています。一方、日本は時給ベースで10%減りました。ちなみに、お隣の韓国は実に2.7倍に増えています。

東京商工リサーチの調査によると、コロナ危機のもとで、上場企業労働者の賃金が年間10万8000円も減少しています(2020年度)。財界も「日本の賃金水準がいつの間にかOECDの中で相当下位になっている」(日本経団連の中西宏明前会長、21年1月)と認めています。

賃金の安い国、日本。これでは安心して暮らせません。

東京春闘共闘会議にて作成

暮らしと経済を立て直すには、賃上げと安定した雇用の拡大が必要です。

私たちが重視して取り組んでいることのひとつは、最低賃金の大幅引き上げです。

東京春闘共闘会議による「東京で普通に生活するのにいくら必要なの か(生計費)調査」(2019年)で、最低時給1,664円~1,750円が必要とわかりました。しかも、これは全国どこでもほぼ同じ金額です。会社が、”最低限”、支払うべき時給水準は全国一律であるべきだし、その水準は\1,700円ということになります。この水準を目指し、いますぐ時給1,500円を実現したい!。これが私たちの考えです。

この取り組みを通じて、わたしたちは、どの家庭に生まれても、性別や住んでいる 街の違いに関係なく、8時間働けば、引け目を感じることなく 胸を張って暮らしていける社会を作りたいと思っています。

 

フランスや米国は大規模な中小企業支援策をおこない、最低賃金を引き上げています。お隣の韓国では30人未満の中小企業(約300万人)に過去年間の平均引上げ率7.4%を上回る人件費を直接支援しました。公正取引を実現し、大規模な支援で日本国内企業数の99.7%を占める中小企業とそこで働く人たちを元気にすることが大切です。

コロナ禍でも、資本金10億円以上の大企業が溜め込んでいる内部留保は、466.8兆円(2020年度)と過去最高額を更新しています。そのほんの一部を使うだけで、賃上げや正社員化を実現し、新たな雇用をつくることができます。また、大企業による下請け・納入単価の強引な切り下げを規制することで、下請け・関連の中小企業にも賃上げの条件が生まれます。

国民の所得が増え、中小企業を含む企業経営全体が改善していけば、税収も社会保険料収入も増えます。人間らしく働けるルールの確立で、こうした健全な経済成長への好循環をつくりだすことができます。