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文京区で公契約条例制定 労組の取り組みが区を動かす
2024.07.05

 文京区でも「公契約条例」が、区議会で全会派一致で6月27日に成立しました。
 区が発注する工事の建設労働者の報酬額改善や印刷物の単価が安いなどが問題となっていました。特に、ある施設を区から受託している会社に勤める労働者からは、賃上げは10月行われ、最賃の改訂にあわせての給与の上がっている実態があり、「官製ワーキングプア」が問題となっていました。
 こうしたことから、十年ほど前に全印総連、文京土建、区労協の三者で、公契約条例制定のために相談し、「公契約条例の制定が必要であることを確認」したのが、運動を始まりでした。

労組の取り組みの中で区の姿勢に変化
公契約条例の制定などを要請する東京地評・東京春闘共闘の仲間(対荒川区。2024年1月)

 公契約制定のこれまでの取組は、駅頭宣伝や議会への請願、自治体キャラバンでの要請などが主な行動を行ってきました。これまで、区の回答は「研究課題としている」「他の自治体の動向を見て」「契約の条項で適切に行われている」との回答に終始していました。
 しかし、2022年10月に区労協が提出した要望書(26項目)の回答で、「公契約条例の制定については、ダンピング受注の防止や適正な労働環境の整備、区が発注する公共工事や公共サービスの品質の確保及び向上などを図る、従事者の賃金が保障されることで、地域社会の持続的な発展にも資するものである」(要旨)とし、「今後、条例制定に向けた具体的な検討を行ってまいります。」との回答で条例制定に向け検討していることがわかりました。
 こうした区の動きを受け、文京区における公契約条例がより良いものとするため、2023年3月実施の春闘期の学習会では、先に制定している世田谷地区労議長の中村重美議長に講師をお願いし、世田谷区でのこれまでの取組や条例について学習を行いました。

真の労働者のための条例へ 今後も運動

 今回の条例制定基本方針では、「公契約において適正な履行及び品質を確保すること」や「労働者等の適正な労働条件の確保その他労働環境の整備に配慮すること」など報酬下限額についても記述があり、区が発注する建設工事や委託事業に従事する労働者の賃金改善につながる条例と確信しています。これからも真の労働者のための公契約条例となるよう、今後も運動をすすめていきます。

文京区労協事務局長 益子茂

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