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#新しい政治(総選挙特集)
労働者・国民生活を守る政治の実現へ
2024.10.24

東京地評総選挙闘争方針

 東京地評は第23回定期大会(9.29)で総選挙の基本方針を確定しました。その後、情勢は急転、10月1日、臨時国会で新たな首相に選出された石破首相は、自民党総裁選挙での言動を翻し、解散総選挙に打って出ました。国民の批判もかまわず、野党がまとまりきりない状況下で解散する党利党略です。

また、自民党総裁選時にはアジア版NATOの創設などに言及し、岸田政権が国民の信を問うことなく計画した5年間43兆円以上の大軍拡路線を継承しつつ、核抑止力への傾倒を一段と強める石破首相は「戦争メガネ」と揶揄されています。石破首相の暴走をくい止めること、平和な日本を守り、日本政府に戦争をさせないこと、裏金、統一協会議員に審判を下すことが求められています。

国民をさらなる貧困へ落とし込み、戦争の危機へと突き進む石破自公政権に対し、総選挙で労働者・国民の要求に応えた国会議員を選出するべく、組合員に要求と選挙の関係を訴えて投票に必ず行くよう促す東京地評総選挙方針を確立しました。

与野党の主な公約-労働者・国民の要求を実現できる政党はどこか

衆院選に向けた与野党の公約が発表されています。国民生活は物価高騰に賃上げが追い付かない状況で、各党は給付や減税を公約としています。物価高対策に家計支援を競うような状況ですが、エネルギー政策では原子力発電の活用で立場が分かれています。

自民党は、物価上昇を上回る所得の向上を重視し、目先の対応策として低所得者向けの給付金を公約に盛り込みました。石破首相は13兆円を超える規模をめざすとした2024年度の補正予算案に関連経費を計上する方針とみられています。基礎年金の受給額底上げを掲げて高齢者にも配慮し、中小企業が原材料費の上昇分を商品やサービス価格に転嫁できる環境を整えるとしています。

公明党は、電気・ガスやガソリンへの補助を続けると公約に明記しました。電気・ガス料金は10月、ガソリンは年内に補助が期限切れを迎える制度です。「貸家に居住する人の家賃を補助する住宅手当を創設する」としました。最低賃金を引き上げ、5年以内に全国加重平均1500円をめざします。

立憲民主党は、経済格差の是正に向けて「分厚い中間層の復活」を掲げています。人への投資・リスキリングで賃上げを支援します。中低所得者の消費税負担の一部を、税額控除と給付で軽減する「給付付き税額控除」の導入を訴えています。公立小中学校の給食を無償にする子育て世帯支援策も盛り込んでいます。

日本維新の会は、消費税率を10%から8%に引き下げるとしています。ライドシェアなど既存産業の参入障壁を撤廃するなど大胆な規制改革・緩和を促進します。

共産党は、最低賃金を1500円以上にただちに引き上げ、消費税の廃止に向けて当面は5%に引き下げ、インボイス制度も廃止するとしています。大企業の内部留保に時限的に課税し10兆円の財源をつくり中小企業への賃上げ直接支援策を講じるとしています。男女の賃金格差の是正、ケア労働者の賃上げを公約しています。

国民民主党は、令和の所得倍増計画、実質賃金がプラスになるまで消費税率を5%にするとしています。所得税の負担軽減、年少扶養控除を復活させる、AIなど成長分野への投資減税を行うとしています。

れいわは、消費税の廃止、インボイス制度の撤回、季節ごとの10万円インフレ対策給付金、全国一律最賃1500円、介護・保育職の月給10万円引き上げなどです。

社民党は、大企業の内部留保に課税し、消費税の税率を3年間ゼロにする。全国一律最賃1500円、労働者の賃上げを大幅に行うとしています。

収入増(税収)に向けては各党で違いがあり、国民民主党は所得税が発生する「年収の壁」を103万円から178万円に引き上げ、就労意欲を高めて手取り収入を増やす公約です。

共産党は、560兆円にも上る大企業の内部留保に時限的に課税し、10兆円規模の財源を確保し、中小企業の賃上げ支援強化を公約としています。

3年前の総選挙時にも岸田前首相が瞬間口にして即座に撤回してしまった金融所得課税について、各党で主張が割れています。石破首相は、自民党総裁選挙での口約束から一転して金融課税強化に慎重な立場です。立憲民主党は、野田佳彦代表がテレビ番組で「もうちょっとマーケットが落ち着いたような段階で(現行の)20%から25%ぐらいを含めて税率を高めることはありえる」と発言しました。

エネルギー政策では、原発どう位置付けるかで各党の立場が明確に分かれています。

自民党は、2050年までのカーボンニュートラルの実現とエネルギー安全保障の両立をめざし、原子力など脱炭素効果の高い電源を最大限活用するとしています。

公明党は、2050年までのカーボンニュートラルの実現まで自民党と同じですが、原発に言及はありません。

立憲民主党は、原発の新増設は認めず、廃炉作業を国の管理下におく体制をつくり、地元合意がないままの原発の再稼働は認めないとしています。

日本維新の会は、次世代原子力発電の活用を推進し、次世代エネルギーとして高レベル放射性廃棄物問題を解決しうる核融合発電を柱に据えて技術開発を推進する

国民民主党は、新増設を進めると提唱しています。立憲民主党は、原発の新増設は認めず、廃炉作業を国の管理下におく体制をつくり、地元合意がないままの原発の再稼働は認めないとしています。

私たちの国政に対する基本要求

1. 新型コロナウイルス感染症が5類とされましたが、引き続き感染予防対策と医療体制の拡充を求めます。気候温暖化の影響や自然環境の破壊的開発から新型感染症が発生する可能性は高まっています。医療・保健体制の抜本的拡充、医療機関への直接経営支援、コロナ不況後の医療機関への支援、医療従事者が安全に安心して働ける賃金・労働条件の確保。総合的な感染症対策を整備する。

2.憲法9条改憲阻止。改憲発議阻止。敵基地攻撃能力の配備と大軍拡の中止。「秘密保護法」、「戦争法」の廃止。コロナ禍や「有事」を理由とした憲法改悪、緊急事態条項阻止。

 憲法の理念を社会に活かす政治の実現。

3. すべての労働者の賃金引上げ。貧困と格差を無くし、雇用の安定と働くルールの確立。8時間働けば普通に生活できる賃金の実現。同一労働・同一賃金、非正規労働者と正規労働者の均等待遇実現。

労働諸法制の改悪阻止、裁量労働制拡大阻止、「働き方改革」反対。

雇用の流動化、「雇用によらない働き方」の拡大阻止、フリーランスの「処遇改善」「均等待遇」を求める。「解雇の金銭解決」導入反対。

4. 最低賃金を生計費原則に基づき生活できる賃金へと大幅に引き上げる。全国一律最低賃金時給1,500円以上の実現。最低賃金の引き上げと中小企業への真水の支援策を一体的に推進、拡充。公契約法・条例の制定。

5.ジェンダー、人種、年齢、障がいなど、あらゆる差別を許さない。選択的夫婦別姓制度、LGBT理解増進法の抜本低改正と真の平等法成立、性暴力根絶に向けた法整備を求める。

ジェンター平等にもとづき、誰もが尊重される社会の実現。

6. 教職員の過酷労働の防止。1教室20人以下の少人数学級実現、特別支援学校においても同様の設置基準を設定。教職員の増員。教育の民間開放、民間試験の導入反対。侵略戦争美化の教科書採択阻止。

7. 消費税5%への緊急減税。零細事業者を取引から排除するインボイス制度導入反対。外形標準課税の中小企業への拡大反対。大企業優遇税制の抜本的是正、富裕層、多国籍大企業への課税強化と課税逃れ対策の国際協調強化。マイナンバー制度の凍結。マイナンバーカードの強制と健康保険証廃止反対。コロナ支援制度の共用反対、マイナンバーの民間開放反対。

8. 社会保障費の自然増分大幅削減に反対し増額を求める。医療、介護、保育、生活保護、年金など社会保障制度の拡充。公衆衛生・保健体制の拡充。教育予算の拡充、教育費の無償化。最低保障年金制度の創設。

9. 気候正義を求め地球温暖化・気候危機への対策を抜本的に強化する。CO2排出量の大幅削減。原発再稼働・新型革新炉新設反対、石炭火力発電の新設中止・廃止、再生可能エネルギーへの転換で原発ゼロの実現。福島原発事故被害者の支援、国と東電責任で生活再建、ふるさとの再生と回復。

10. TPP11からの撤退。日米FTA、日英FTAなど多国籍大企業の利益を優先し、加盟各国の国民生活を破壊する自由貿易協定に反対。

11.民意が反映する選挙制度への改革、真の政治改革の実現。

12.国の責任を放棄する地方分権改革反対。住民サービス、公務・公共労働者の労働条件改悪となる行政の民間委託反対。公務員の増員。

13.核兵器廃絶。核兵器禁止条約の批准。沖縄県米軍普天間基地の辺野古移設新基地建設反対。すべての米軍基地撤去。横田基地へのオスプレイ配備反対。PEFASの漏洩防止の徹底と米軍基地敷地内の調査。自衛隊と米軍の「統合」作戦反対。日米安保条約を廃棄し、対等な平和友好条約の締結。憲法9条を守り平和な日本の建設を。

14. 「共謀罪法の廃止」。表現の自由や団体行動を制約する法・条例の廃止、撤廃。ヘイト・スピーチの防止。

こうした基本要求および各組合の独自の要求に合致する政策・公約を掲げ、その実現への道筋を明確に示しているかどうかを政党選択、候補選択の基準とします。

【東京地評と加盟組織の具体的とりくみ】

1.衆議院選挙のとりくみに当たっては、「政党からの独立」「資本からの独立」「要求で団結」の三原則を基に、組合員の思想信条の自由、政党支持の自由を尊重し、政治活動の自由を保障してとりくみます。各単産、地域組織の事情に応じた形態ですすめます。

2. 衆議院選挙を要求実現の機会と位置づけます。憲法改悪の阻止し、憲法を生活に活かす、働く者の権利の拡充、消費税の5%減税など、政治の転換と働く者の要求を結び付け、宣伝行動や署名行動などに旺盛にとりくみましょう。

3. 各組合は、各政党、候補者の選挙政策と組合要求・政策を対比させ、要求実現の立場での選択の材料を組合員に提供するなど、学習・教宣活動を重視してとりくみます。東京地評として学習資材を提供します。

4. 職場と地域に選挙への意識を高め、「大切な一票で政治をかえよう」を合言葉に期日前投票を含めた投票行動をすすめ、棄権防止の活動も重視します。18歳以上の青年層は日本の将来を担う世代であり、働きかけを重視します。

5. 不当な弾圧や企業・団体・労働組合ぐるみ選挙を許さず、選挙活動の自由を推進します。とりわけ、公務労働者への弾圧をはじめ権力によるいかなる攻撃・干渉を許さず、毅然としてたたかいます。

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