総選挙の新たな情勢のもとでの東京地評のたたかい

最低賃金の時給1000円以上を求めて、東京労働局前で
  八月三〇日に投開票が行われた衆議院選挙で、小泉「構造改革」路線によって国民のくらしや平和を脅かしてきた自民・公明政権が、国民の厳しい批判を受け、〇七年の参議院選挙に続き歴史的大敗を喫しました。
 自民党は、一一九議席へと公示前の三分の一に激減させ、公明党も代表・幹事長が落選するなど、三一議席から二一議席へ大きく後退し、民主党が三〇八議席となり、第一党となりました。自民党の第一党からの転落は一九五五年の結党以来初めて、第一党が入れ替わる政権交代も六二年ぶりで、憲政史上初の出来事となりました。

 選挙で政権が交代したことは、新しい政治への扉が開かれたことです。「自公政権ノー」の審判を下した国民の願いに応えるためには、財界・大企業中心、日米軍事同盟絶対という旧来の政治を、「国民が主人公」の新しい日本に転換しなければなりません。
 新たな国会情勢のもとで、私たちの要求が大きく前進するかどうかは私たちの運動の前進にかかっています。

 東京地評は、当面、後期高齢者医療制度廃止、生活保護母子加算の復活、障害者自立支援法の廃止など、私たちの要求と一致する民主党の公約の実現と格差を是正し、貧困をなくすために労働者派遣法の抜本改正など「働くルール」の確立、最低賃金の大幅引き上げ、全国一律の最低賃金制の実現をめざすと同時に、改憲策動や衆院比例定数削減、国家公務員人件費2割削減など危険な動きに対しては断固とした反対のたたかいをすすめます。
 東京地評は、今回の総選挙結果を政権交代にとどまらせず、国民が主人公の新しい日本への転換と労働者・国民の切実な要求実現をめざし、民主団体との共同をさらに発展させ、職場・地域から世論と運動を大きくつくり〇九年秋季年末、一〇春闘を全力で奮闘します。

 いま、九条を守り生かすため、二人の講師を迎え学習討論

 
   八月二四日午後、「憲法運動学習討論会八・二四徹底討論〜九条を守り生かすため、いま何をなすべきか」が開催されました。主催は、東京地評、自由法曹団東京支部、東京憲法会議、憲法改悪に反対する東京共同センターの四団体。四七団体九一人が参加しました。
 講師に、渡辺治(一橋大学教授)と小森陽一(東京大学教授)の両氏を招き、講演のあと、質問および今後の憲法運動の各団体の決意、方針を発表しあいました。

 改憲阻止へ 総選挙直後からの運動が大事
 渡辺氏は、「新たな情勢と改憲問題の行方」と題して講演しました。私見として、総選挙後に民主党中心政権になる新情勢を想定して語りました。明文改憲は後回しになるが、海賊対処派兵や北朝鮮船舶検査など解釈改憲は進める可能性が強いと述べました。改憲手続き法問題に関しては、私たちが、@手続き法の廃止A憲法審査会の凍結B手続き法自体の見直し規定の決着、をめざして総選挙直後から運動をすることが大事だと強調しました。

 国際問題は、冷静に理性的に見渡すべき
 小森氏は、「危機の中でこそ九条の思想を」と題して講演しました。国際問題を、歴史的にとらえ、気分感情でなく冷静に理性的に見渡す必要があると述べました。これまで解釈改憲がされてきているが、九条があるため、戦闘地域への全面的な派遣という「国際貢献」はさせていないと、現状を評価しました。また、講演後、北朝鮮への対応について質問された小森氏は、歴史的には、朝鮮戦争が終わっていないことを留意すべきだとしました。そして、現在の六カ国協議の目的が、戦争状態を終結し、講和条約を締結することであると、指摘しました。

 衆議院比例定数削減は 日本の民主主義の墓場
 討論の中で、自由法曹団の坂本修弁護士が、自身の講演冊子を提供しながら、「比例定数削減の危険な狙い」を強調しました。小森氏も「日本の民主主義を墓場に送るもの」で、反撃の重要性を訴えました。

 公契約シンポを開催

 九月一日夜、東京春闘共闘会議は、公契約法・公契約条例制定に向けた運動の発展をめざすために、公契約シンポジウムを開催し、ラパスホールいっぱいの一〇〇人が参加しました。國學院大学教授の小越洋之助氏をコーディネーターに、パネラーは東京土建一般労組の松森陽一氏、東京自治労連の高橋眞之氏、全労連の伊藤圭一氏の三人がおこないました。
 小越氏からは公契約運動をめぐる急速な変化をふまえ、運動の具体化について共有化する必要性が指摘されました。松森氏は公共工事・事業における入札改革についてと、受託側である建設産業労働者として公契約条例制定の意義について発言。高橋氏はPFI、指定管理者制度、地方独立行政法人、市場化テスト等による公務の民営化を阻止する闘いについて発言しました。また、伊藤氏から尼崎市や野田市における公契約条例制定をめぐる経過などが報告されました。参加者からは、日野市や世田谷区での公契約運動、法務局登記事務の一般競争入札問題、文京区の保育園民営化阻止、足立区の図書館長解雇事件、ほかが紹介されました。

 東京の最低賃金791円へ

 東京地方最低賃金審議会は、七月二九日の中央最低賃金審議会の答申を受けて、八月五日、東京都の最低賃金について、現行時間額766円を25円引き上げて、791円とする極めて低額で不当な答申を行いました。この答申は、中央最低賃金審議会での「目安」答申が示した「生活保護との乖離額」六〇円の二年での解消にも応えず、昨年の引き上げ額二七円すら下回るものです。
 この最低賃金は、異議申し出の審議を経て一〇月一日に発効の予定で、正規、非正規の区別なく都内で働くすべての労働者に適用されます。また、違反した使用者は処罰されます。